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2010年4月、僕は、事業内容も決めず「世界一変わった会社を創る」という大きなビジョンだけを掲げて、トゥモローゲートを創業しました。 

 

起業当時から大切にしてきたのは「好きなことを、好きなひとと、好きなようにやる」こと。この想いを追求し、現在は「世界一変わった会社で、世界一変わった社員と、世界一変わった仕事を創る。」というビジョンのもと、「ブラック〝な〟企業」を経営し、世の中の会社の「企業ブランディング」のお手伝いをしています。

ブランディングといえば、Webサイトやパンフレットなど「目に見える部分のデザインを良くすること」だと思われがちです。けれども、それだけでは強いブランドはつくれないというのが僕たちの考えです。

だから、トゥモローゲートでは、いきなりデザインに着手することはありません。トゥモローゲートでは「ブランド=約束」と定義しています。ターゲットである、顧客や求職者、社員に対して、その会社が「絶対に裏切らない約束」を体験してもらうこと。つまり「信頼」や「絆」の積み重ねがブランドをつくると考えています。  そのため、当社では目に見えるデザインだけではなく、企業の想いを言葉にした「経営理念」から一緒に考えていきます。デザインはもちろん、会社の在り方まで一貫した形に落とし込んでいくのです。

企業が創業したときの想いや原体験=「なんのために(WHY)」から、企業のあるべき姿を導き出し、「どのように(HOW)」や「なにを(WHAT)」を定め、企業それぞれのストーリーを設計することで、芯のある企業ブランドの構築をめざしています。  会社の想いを起点とした本質的なブランドづくり。それこそが僕たちの考える「オモシロイ会社づくり」です。

 

ブラックな企業の仕事は「オモシロイ会社づくり」  

せっかくなので、少し事例をご紹介します。

2019年、トゥモローゲートはとある八百屋と出会いました。当時、その会社は採用、離職に課題を抱えていました。「大学を卒業して、八百屋で働こうと思ってくれる学生は少ない」というのが、大きな原因でした。

 

ところがヒアリングをしていると、在籍している社員はみんな、八百屋という仕事に対して、おもしろさや魅力を感じていることがわかりました。「八百屋はシンプルな商売。自分たちで仕入れて、売るという単純な仕組み」「でも、人は食べないと生きられない。いわば、八百屋は小売りのど真ん中だ」「そのシンプルな商いに、僕たちの想いを乗せていきたい」「毎日変化のある商品とお客様の笑顔を見続けたい」……

 その想いや誇りを体現し、伝えていくことはできないか。そこで、僕たちは会社経営の肝ともいえる経営理念の構築から入っていくことに決めました。まずは代表が会社を創設した背景や想いなど「原体験」をヒアリングするため、1回3時間に及ぶ打ち合わせを15回ほど実施。約半年かけて経営理念を言語化する「ビジョンマップ」を作成しました。

 

そうして生まれた「八百屋を、日本一かっこよく。」というビジョンを掲げ、リブランディングを行いました。企業ロゴ、Webサイト、採用サイト、採用動画といった目に見えるものはもちろん、人事評価まで、社内外に向けた多角的な施策を展開しました。  その結果、3年間で従業員数は1・5倍に増加しました。並行して、売り上げも20億円から40億円へ倍増し、社員1人当たりの生産性も向上。会社の成長に大きく貢献することができました。

リブランディングで大切なのが、単に見た目をよくするのではなく、企業の魅力を引き出し、まずはそれを理念に落とし込んでいくことです。これが売り上げ・採用・社員の定着につながり、最終的には会社の濃いファンづくりに直結していきます。  

このような取り組みを評価いただき、国際的なWebデザイン・開発アワード「CSS Design  Awards」で「SPECIAL KUDOS(特別賞)」、一般社団法人日本BtoB広告協会が1980年から開催している「日本BtoB広告賞」では「金賞」を受賞。さらに最近では、新聞社が主催する広告賞のなかでも最も長い歴史を誇る、毎日新聞社主催「毎日広告デザイン賞」を受賞しました。

創業から14年間でブランドづくりをサポートさせていただいた会社は、全国に300社以上あります。社員は50人規模まで増え、大阪のトレンドの発信地「アメリカ村」の中心に200坪を超えるオフィスを構えられるほどに会社は成長しました。新規事業のリリースや書籍出版など、創業当初と比べて取り組みの幅も拡大しています。ただし、ここにたどりつくまでの道のりは順風満帆ではなかったし、組織崩壊の危機を迎えたことだってありました。もちろん現在も課題は山積みです。

今回は「なぜ会社を創ったのか?」「ここに至るまでにどんな壁にぶつかり、乗り越えたのか?」「オモシロイ会社を創るためには何が必要なのか?」についてお話しします。会社のブランドを創るためにどのような経験をしてきたのかという僕の経験が、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

続きは、本文でご覧下さい​。

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